... listening to 4'33" 

調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

文明とは衰えるもの

上野の国立科学博物館で開催されている「インカ帝国展」を観に行ってきた。
インカ文明はスペイン人によって破壊と略奪の限りを尽くされたせいか、きらびやかな装飾品などの大きな目玉となる展示物はなかった(ミイラくらい)。でも個人的には、知りたかったことが大まかに確認できたので、それなりによかった。
15年ほど前にペルー、ボリビアを旅行した時のことを思い出した。

f:id:CHHR:20120323202356j:plain
その時に撮った写真プリントをスキャンしたものなので、画質がかなり悪いのはご容赦を。

インカは、現在のペルー・ボリビア地域に興った原住民の文明の中では、最も新しいものだ。それ以前にも、チャビン、モチェ、シカン、ナスカ、ティワナクなどのプレ・インカ文明が多数存在していた。征服により、それらの文明の流れをまとめて受け継いだのがインカ帝国と言えるだろう。

映画『ピラミッド 5000年の嘘』でも言っていたが、ペルーやボリビアの遺跡に見られる、カミソリの刃も入らないほど精緻な巨大石組みは、現代の重機や建設技術をもってしても難しいとされている。
会場で上映されていた解説ビデオでは、硬い石器を使って少しずつ石組みの接合面を削り、ぴったり合うように調整すると説明していたが、実際の建造は、それだけでは無理なように思うのだが…。
遺跡では、時代が古い方が技術的に高度で芸術性も高いというのは、珍しいことではない。現代の科学では、使われた石そのものの年代を測定することはできても、石が加工された時期を特定するのは難しいようなので、謎は永遠に解明されないのかもしれない。

f:id:CHHR:20120323202820j:plain
f:id:CHHR:20120323202146j:image:w500