... listening to 4'33" 

調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

風が吹けば桶屋が…地球が温暖化すれば…

ナショナルジオグラフィックのサイトに非常に興味深い記事が載っていた。 最新の研究から、地球温暖化により人間の暴力行為や紛争のリスクが増大することが示されたというのだ。研究は、気候学、考古学、経済学、政治学、心理学といった分野から、気候、気温…

収奪的経済制度とイノベーション

このところ、ブログを書く余裕がなくなってきた。本だけは何かしらマイペースで読んでいるが、今読んでいる、『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』がなかなか面白い。歴史があまり得意でない私は、さしたる根拠もなく、技術革新はいつの時代…

それは無くならないことを意味するのか?

ネットで聴いているBBCワールドニュースは、このところ毎日のようにトルコの反政府デモと内戦の続くシリア情勢を取り上げている。聞くたびに何とか早く解決しないものかと思うが、このような紛争や戦争・テロも、複雑性の研究においては、道路や市場での…

競争の効用

以前、今時の小学校の運動会は、1位2位といった順位をつけないとか、かけっこでも、みんなで一緒に手をつないでゴールすると聞いてビックリしたことがある。「それって都市伝説じゃないの!?」と今でも半信半疑なのだが、確かに日本では過去の過剰な受験…

ルフィが目指すのは女王陛下

このまえTVを見ていて、『パイレーツ・オブ・カリビアン』がディズニー映画だと改めて認識した。そういえば、漫画の『ワンピース』も海賊の話だし、なんで海賊なんだろう?山賊がヒーローの物語って聞いたことがない気がする。私が知らないだけ?と、急に…

雇用チーズを食べたのは誰?

ちょっと気になっていた本、『機械との競争』の著者、エリック・ブリニョルフソンMIT教授のインタビューがオンライン記事になっていた。ありがたい、これで読んだ気になれる(笑)。インタビューによると、そもそものきっかけは、米国で2年前にイノベー…

社会も早期治療が肝心

完璧とはいかなくても、まともな法律があり、警察や裁判所がちゃんと機能しているのは素晴らしいことであり、けして当たり前のことではない。こういうニュースを見るとつくづくそう思う。メキシコの村が自警団結成、拘置や裁判も - YouTube日本人は治安の良…

健康な野菜と社会

『なめ敵』では、国境をはじめとする社会のさまざまな境とコントロールの起源を、オートポイエーシスと細胞の基本構造である膜と核に求めているが、その部分を読んだときに思い出したことがある。以前、無農薬・無肥料で育てた自然栽培野菜を宅配購入してい…

なめらかにすべきものは何か

青い表紙の本、『なめらかな社会とその敵―PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論』に提示されているシステムは、タイトル通り、今の世界を「なめらかな社会」に変える貨幣・投票・法・軍事システムを提示している。 正直、本書に羅列された数式はさっ…

赤い本と赤い大国の関係

赤色の本『2052~今後40年のグローバル予測』は、今から40年前(正確には41年前)の1972年に出版された、かの有名なローマ・クラブ『成長の限界』を踏まえ、さらに次の40年を予測する21世紀への警告書(!)である。その内容は、地球温暖…

赤と青の示す未来

私に限らず、多くの人が自分の国や世界、そして地球環境がどう変化していくのかに関心を寄せている。 それは、単に自分の仕事やライフプランを左右するものだから知りたい場合もあれば、世の中が今抱えている問題や将来起きるであろう問題をどう解決または回…

世界はフラット化しているか?

ここ十年くらいのあいだだろうか?パソコンとインターネットの普及から、瞬く間にバーチャルな世界が一般の人々にとって当たり前になった。ソーシャル・ネットワーキングは、世界をよりボーダーレスでフラットにしているように見える。 だが、たとえ電脳空間…

江戸の除夜の鐘は経済リセット

(前記事のつづき)…で、実経済からも離れて亡霊化肥大化したお金は、ときに膨らみ過ぎた風船のようにはじけて実経済にも多大なダメージを与える。それならば、定期的な「リセット」によって健全な経済状態を維持するのは、直感的には理にかなっている気がす…

ここらで一度お金のこと

そもそも、はてなを始めたメインの動機がお金について書くことなのに、ダイアリーからブログへ移ってからというもの、お金に関する記事は皆無。まったく書いていない(爆)。もうちょっと勉強してからと思いつつ、お金についても経済についても一向に理解が…

資本主義 vs? 社会主義

ちまちまと本を読んだりネットで情報を調べたりしてきて少しは世の中のことが分かったというと、むしろ感覚的には逆のような気がする(汗)。以前は分かっていないことさえ分からなかったのだから、無知の知が芽生えたとも言えるが。何となく分かった気にな…

スイスには絶対なれないけれど

このまえ、職場のアラサー男性同僚と話をしていて、彼が永世中立国のスイスを、反戦平和主義の国とイメージしていたことがわかった。スイスは強力なスイス軍と民間防衛で世界的にも有名だが、彼のような若い世代でも、いまだに日本人の多くがそのようなお花…

1996年の記事から2013年を憂う

突然だが、私たちは自分たちの国が一番、米国と親密で深い関係にある―少なくともアジア諸国の中では―と何となく思っていないだろうか? 私は最近ある本を読んで、漠然とそんなふうに思っていた自分に気がついた。しかし、やはりそれは思い込みだったみたいだ…

GATTと醜い姉妹

前回書いたように、第二次世界大戦の経済的背景となったブロック化と保護主義への反省から、「自由、無差別、多角主義」を原則とするGATTが発足した、といわれている。「自由」とは自由貿易のことであり、具体的には関税の削減と数量規制の禁止などを意…

2つのベクトル―自由貿易とブロック化

世界経済のブロック化が進んでいる ― 今年は、このような専門家・識者のコメントを何度か見聞きした気がする。「ブロック」という言葉は使わなくても、自由化、グローバル化に対する揺り戻しが確実に訪れると警告する学者もいる。本当だろうか?第二次世界大…

選挙前に少しだけTPPについて

年末の慌ただしさの中、気がつけばもう来週は選挙の投票日だ。 私は都内在住なので、衆院選だけでなく都知事選もある。ポストに投函されていたチラシを見ると、都知事選なのに、なぜかTPP加盟に関する主張を載せている候補者がいた。私は衆院選でさえ、T…

グローバル企業帝国

国家と企業の類似点と相違点に興味を持ったのは、個人的には現在勤めている会社に就職したことも影響している。いわゆる外資系グローバル企業なのだが、なんだか帝国みたいなのだ。近年はいろいろな企業を吸収合併する一方で、儲からない事業はさっさと売却…

『ナウシカ』から国の規模と軍事力について素朴に考える 2

ネットで検索してみたら、ウィキペディアに各国の軍事費のランキングデータがあった。 さすが米国は、翳りが見えてきたとはいえダントツ1位だ。リアル世界のトルメキアよろしく(?)、2位以下をはるかに引き離している。 GDP比とGDPの世界ランキン…

『ナウシカ』から国の規模と軍事力について素朴に考える 1

特に好きという訳ではないが、TVでやっているとつい見てしまうアニメに、『風の谷のナウシカ』がある。 28年前の作品にも関わらず、いまだに地上波でTV放送され人気があるのは、ストーリーの面白さや魅力あるキャラクターもさることながら、物語の背後…

不都合でない真実?

国際関係に影響を与える因子には、地理や資源の有無といった固定的な条件以外にも、人口、経済力、技術革新など可変的な要因もある。中でも、比較的ゆっくりではあるが大きな影響を与えるものが、気候変動だろう。近年では言わずと知れた地球温暖化がある。…

地政学アゲイン?

地政学という学問がある。 詳しくは知らないが、政治現象と地理的条件との関係を研究するものらしい。その中でも有名な「ハートランド理論」によると、外交・防衛政策はイデオロギーなどではなく、その国の地理的条件に制約、決定されるという。地政学では、…

ブルーゴールド

前回の記事で穀物メジャーについて少し触れたが、当然のことながら水ビジネスも活発になっている。水不足や水質汚染が新たなビジネスチャンスとなっているのである。石油ビジネスの「ブラックゴールド」に対して、水ビジネスは「ブルーゴールド」と呼ばれて…

バーチャルウォーターと食糧危機

「バーチャルウォーター」という言葉をご存知だろうか? 日本は山や森林が多く、気候も梅雨、台風など雨が多い。日本は他国と比べて水資源が豊富で、量的な問題はほとんどない。私たちの多くはそう考えているのではないだろうか?だが、日本は食糧の多くを輸…

再び水の話

水の話に戻る。 地球上にある水の97.5%は海水で、2.5%が淡水だそうだ。さらに、その淡水のうち、69.5%が永久凍土や氷河なので、人間が利用できる水は残りの30.5%、つまり地球上の水のたった0.8%しかないということになる。これは20…

「推奨」が「命令」に変わってからでは遅い

私の勤務先(欧州系企業)が、「当面中国への渡航(香港を除く)は推奨しない」という方針を固めた。 香港を対象外とした理由は、アジア・パシフィック地域のヘッドクォーターがあるため、マネージャー以上の人間は、ことあるごとに香港オフィスに出向かない…

今も昔も水は命

雨不足で首都圏の水甕であるダムの貯水量が減っている。 折しも『環境の文明史』(洋泉社新書)を読み返し、人類にとっていかに水資源が重要か再認識した。水をめぐるトラブルは、紀元前、おそらく人類が農耕を始めた頃にはすでにあり、今日までずっと続いて…