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調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

赤と青の示す未来

私に限らず、多くの人が自分の国や世界、そして地球環境がどう変化していくのかに関心を寄せている。
それは、単に自分の仕事やライフプランを左右するものだから知りたい場合もあれば、世の中が今抱えている問題や将来起きるであろう問題をどう解決または回避すればよいか知りたい場合もあるだろう。

そのような未来への関心に対して興味深い提言をしている2冊の本がある。
一つは、かなり高齢のビジネススクール教授による未来予測本。もう一つは、1975年生まれという若い研究者による新しい社会システムを提示している本だ。この2冊は、著者の世代だけでなく、そこに描かれている未来像もまったく違う。本の装丁も、偶然にも赤と青という対照的な色である。

2052 ~今後40年のグローバル予測

2052 ~今後40年のグローバル予測

なめらかな社会とその敵

なめらかな社会とその敵

今年の一月という、たまたま同時期に発売された(一冊は翻訳本)2冊は、書かれた意図も背景もまったく違うもので、そもそも比較すべきものではない。だが、そこに書かれている政治・経済のすがた、ベクトルがまったく逆の方向を示しており、資本主義と民主主義の行く末が気になる私としては、妙にその違いが印象に残ってしまった。

2冊の内容がそのまま現実になる可能性はほとんどないかもしれないが、それらの内容をベースに皆が考えてみることは大いに意味がありそうだ。
歴史は、目の前の問題への現実的な対応と、夢想された理想の実現化の両方によって織りなされるのだろう。今までも、そしてこれからも…。