... listening to 4'33" 

調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

「推奨」が「命令」に変わってからでは遅い

私の勤務先(欧州系企業)が、「当面中国への渡航(香港を除く)は推奨しない」という方針を固めた。
香港を対象外とした理由は、アジア・パシフィック地域のヘッドクォーターがあるため、マネージャー以上の人間は、ことあるごとに香港オフィスに出向かないといけないからだろう。それと、長年イギリスの支配下で貿易都市として栄えた歴史からも、他の都市部に比べてリスクは低いと判断したのかもしれない。

しかし現実には17日、現地在住の日本人夫婦が、散歩中に男から「日本人か」と声を掛けられて突然殴られ、負傷する被害が出ている。
今は、公安当局による反日デモ禁止とインターネット検索の規制で、嘘のように落ち着きを取り戻しているが、事態はこのまま終息に向かうのだろうか?マネジメントの判断に甘さはないのだろうか?

いちど炭酸飲料のボトルをシェイクして蓋を開けておきながら、途中でまたギュッと閉めれば、場合によってはボトルが暴発することもあり得る。そこを当局が上手くコントロールするには、温度上昇を観察しながら、また少しフタを開けたり(その時必ずボトルの口は外へ向けて!)、閉めたりを何度か繰り返さなければならなくなるのではなかろうか?

満州引揚者に話を聞いたことや、中国に住んだ経験のある方たちは、異口同音に警告している。“あの国は豹変する”と。落ち着いている今は、帰国や資産移動のまたと無いチャンスかもしれない。
すでに空港での日本からと日本向け貨物の税関検査率が上昇し、全品検査になっているところもある。人の移動も、物・お金の移動も、止められるときは、ある日突然止められるのだ。