... listening to 4'33" 

調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

『ナウシカ』から国の規模と軍事力について素朴に考える 1

特に好きという訳ではないが、TVでやっているとつい見てしまうアニメに、『風の谷のナウシカ』がある。
28年前の作品にも関わらず、いまだに地上波でTV放送され人気があるのは、ストーリーの面白さや魅力あるキャラクターもさることながら、物語の背後に流れるテーマが環境汚染による自然破壊、人類文明と自然との共生という、現代社会が抱えている問題であることも大きいだろう。そして、映画の中では特に触れられてはいないが、描かれている世界の歴史的、地理的、政治・社会的な設定もしっかりされているところも、大人の鑑賞に耐え、作品の寿命を延ばすのに貢献しているのかもしれない。

なぜ急にナウシカの話をするのかというと、国際関係や国家の軍事力、経済力についてあれこれ考えていると、時々このアニメに登場する3つの国が脳裏に思い浮かんだからである。
私はアニメしか知らないが、ネットで調べてみると、アニメ映画と原作漫画とでは、設定もストーリーもけっこう違うようだ。
アニメは原作と違い、3つの国だけが登場する。主人公ナウシカの住む辺境の峡谷にある小国「風の谷」は、人口500人程度という設定らしい。ナウシカの父、ジルが王として住人を統率しているようだが、王国というより農業中心の前近代的なコミュニティといった感じだ。「風の谷」という名前も、国名というより単なる地名にしか聞こえない。
それとは対照的に、トルメキア帝国は軍事大国として描かれている。(映画版の場合)。そして、巨神兵が発掘されたペジテ市は、原作から工房都市という設定になっているらしい。

なので、国の規模と軍事力は、 トルメキア > ペジテ > 風の谷 の順で大きいことになると思うが、そこであえて極めて素朴な疑問を投げかけてみたい。
大国が強大な軍事力を持つことは必然なのだろうか?というより、強大な軍事力なくしては、大国になることも、あり続けることも不可能なのだろうか?国の規模と軍事力が比例するのは当たり前なのだろうか?

現実の世界を見れば言わずもがなに思えるが、まずは少しデータを調べてみたい。でも、軍事「力」そのものを把握するのは難しそうだ。その国のトップシークレットだし、厳密には軍事費=軍事力とは限らないかもしれないし…。
第一、「大国」の定義自体あいまいだ(苦笑)。その基準は領土面積、人口、GDP…?GDP世界第3位の日本は大国と呼べるのか?じゃあ、イギリスは?フランスは?領土面積ならロシアがダントツで、2位がカナダだ。人口は何と言っても中国、次いでインドとなる。まぁ感覚的には、いくら経済が発展していても領土面積が小さいと、大国と呼ぶにはふさわしくない感じがする。
日本は、「経済大国」とは呼べるが、「大国」というのは、ちと違う気がするよね。。。