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調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

資本主義 vs? 社会主義

ちまちまと本を読んだりネットで情報を調べたりしてきて少しは世の中のことが分かったというと、むしろ感覚的には逆のような気がする(汗)。以前は分かっていないことさえ分からなかったのだから、無知の知が芽生えたとも言えるが。何となく分かった気になっていたものまで、実はよく分かっていなかったと感じることもある。

たとえば、「資本主義」だ。
主義といっても確固とした思想体系に基づくようなものではなく、時代や国によって変わってきた資本主義。にもかかわらず、それよりはるかに思想的バックボーンがある社会主義とセットで頻繁に論議されていて、それがどうもイメージ的に混乱する。しかも、この2つがあたかも両立しえない二項対立的な概念として論じられていることがほとんどのような気がする。まあ、そのようが分かりやすいし、分かった気になれるし、気持ちは分かるのだけれど、、、最近は違和感を感じるようになってきた。

いったいどう捉えるのがよいのだろう?
理経済、計画経済という点では、どの資本主義国でも、政府または中央銀行が金利や通貨管理をしているし、公共事業だってある。とくに日本は、明治の近代化から今日まで、程度の差はあれ、社会資本主義とでも呼ぶべき体制をずっと続けてきたのではないだろうか?
それに自由市場といっても、貿易交渉の窓口は各国の政府で、貿易は最終的には国と国との、ある程度管理された取り引きなのである。
方や、今では絶滅危惧種となりつつある社会主義国も、賄賂の横行や配給品の闇市場があれば、私的所有と市場から完全に離脱しているとはいえない。

私は最近では、資本主義と社会主義の関係をタオの陰陽太極図のようなものと捉えている。
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つまり、この2つは陰と陽の関係のように、互いに相容れない対立する性質でありながらも、単独で存在することはなく、相補的な関係でもある。
東洋医学では、陰陽のバランスによって、その人の体質を把握する。病気の人は、その人にとって最適な陰陽バランスから外れた状態にあるので、治療や漢方処方、食べ物などによって本来のベストバランスに戻すことで快癒する。
社会も、その国、社会状況によって、資本主義的な自由市場と、政府による管理、分配方法の最適な処方があるのではないだろうか?