情報分析のアートとサイエンス
たくさんのインフォメーションを精査し、判断・行動に役立つインテリジェンスを生み出す「情報分析」は、パズルにたとえると、完成図がないばかりか、ピースの数が揃っているかどうかもわからない、関係のないピースも混じり合っているような状況下で、それをなんとか乗り越えてパズルを完成させるような作業らしい。
その分析作業には、「アート」と「サイエンス」という二つの面が複雑に混じり合っている。
「アート」は、ベテラン刑事の勘のような、知識と経験から直観的・演繹的に導き出す方法。「サイエンス」は、「このとおりにやれば、誰でもある程度はできる」というメソッドによる帰納的な方法だ。
これは、直観の原動力となっているものが、「ヒューリスティクス」または「マインドセット」と呼ばれる、「判断や評価にいたる思考のショートカット(近道)」にあるからだと言われている。パズルを完成に導くものが、同時に、分析過程で生ずるあらゆるバイアスの元凶ともなるということだ。
>参考文献: 『仕事に役立つインテリジェンス 問題解決のための情報分析入門』 北岡 元・