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調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

おサルな私たち

よりよい社会や経済システムを考えようとすれば、人間の行動や価値観の基礎となっている(支配/制限しているともいえる)ものが何か?について知らなければならないと思う。それは、「人間とはなにか?」という問いでもあり、人類は長年この問題に取り組んできた。にもかかわらず、この問いに直接的に答えるのは、なかなか難しいのかもしれない。逆に、ヒトと他の生物との比較から逆照射するようなアプローチの方が、より人間というシルエットが浮かび上がってくる。私が生物学や脳科学などに興味を持つのも、そこらあたりに鉱脈がありそうだと感じるからだ。
最新の経済学の分野でも、そのような鉱脈探しや、すでに採掘作業が始まっているようだ。私たちは、自分で思っている以上に、おサルだったみたい。。。

価格が安くなると需要は伸び、高くなると減少する。この価格メカニズムによる需給バランスの調節は、経済学の入門書に必ず登場するような基本中の基本だが、なんと、この法則が猿の社会でもよく当てはまることが証明されたらしい。
オマキザルに銀の代用貨幣(トークン)を使って食べ物を買うことを教えた実験では、葡萄の価格を下げると、サルたちは葡萄の購入量を増やし、フルーツゼリーの購入量を減らしたそうだ。

猿の世界でも「神の見えざる手」が働くとは、天国のアダム・スミスもびっくりだが、その一方でヒトは、猿知恵から抜け出すのに、けっこう四苦八苦しているみたいだ(笑)。

参考文献: 『ソウルフルな経済学―格闘する最新経済学が1冊でわかる』 ダイアン・コイル・著