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調和的でサスティナブルな社会・経済システムとは?変化の激しい世界で歩きながら考える。

シマと国家とマフィア、そして企業

ニュースを見ながら、シマをめぐって争うところも国家とマフィアは似ているなぁなどと思う。
両者とも地所・縄張りが資本なのだ。企業も土地を使うが、(生産などの手段として以外は)特定の土地を占有し続けることに関心はない。商人は本質的に遊牧民で、それは企業という形態になっても変わらないように思う。

では、国家とマフィアの本質は農耕民的定住者なのだろうか?かれらも商人同様、土地を利用していることに変わりはないが、なぜか自分たちのシマに自らを縛りつけているように見える。二者とも機会があればシマを広げようとし、時に失ったりもするが、必ず自分たちのアイデンティティーとなるコアの土地があるようだ。とくに国家は基本的に引っ越し不可能だ。A国とB国がお互いの領土を交換するなどということは、普通はあり得ない(歴史的にそのようなことがあったのか未チェック)。そのような事態が起これば、それは「亡国」と呼ばれ、あってはならない悲劇、非常事態とされる。
昔、テレビドラマ化された小松左京のSF小説『日本沈没』は、まさにそのような国土と分かち難く結び付いた日本人のアイデンティティーの物語だ。

商人(企業)も本質的に「市場」というフィールドで「シェア」というシマを拡大することをミッションとしている。しかし、シェアというシマは物理的な土地ほどに占有可能なわけではない。業者間で協定して棲み分けをすることも可能だが、少なくとも現代では独占禁止法違反になってしまう。

ただ、国家もマフィアも企業も共通して、(建前はともかく)その構成メンバーよりもシマを重視しているように思われる。この執着は何なのか?やはり生存に直結する資源だからだろうか。
これらの組織と構成メンバー、フィールドの関係を、肉食動物>草食動物>草食動物の餌がある土地と考えると、妙にうまくハマって嫌だ(苦笑)。